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何度生まれ変わっても、僕は、君を失う運命なのか。 病に冒された最愛の妻の命を救いたい。その思いだけを胸に、特効薬の研究に没頭する医師のトミー。妻のイジーは、運命を受け入れ、残されたわずかな時間をトミーと過ごし、彼の心に自分が生きた証を刻みつけたいと願う。だが、妻の命が尽きる前に新薬を完成させようと焦るトミーには、その思いが届かない。そんな彼に、イジーが渡した最後の贈り物──それは前世のトミーを思わせるスペインの高潔な騎士が女王の命を受け、不死を約束すると信じられている伝説の<ファウンテン(生命の泉)>を探す旅に出かけていく、壮大な物語だった。ふたりの絆を永遠にするために、物語をトミーに完成させてほしいと望むイジー。果たしてトミーは、そんな妻の願いを叶えることができるのか?そして、その後のトミーにどんな運命と奇跡が待ち受けているのだろう……。
トミーとイジーの間にある、超えられない<死>と言う運命。数多くの文化の中で人は<死>に対する惧れから、永遠の命を追い求めてきた。トミーはイジーを永遠に失わない方法を狂おしいほど追い求める。イジーは生きている間にトミーと一緒に過ごす一瞬一瞬を大切にしたいと願う。イジーが自らの運命を受け入れている一方で、トミーは、あくまでその運命に逆らって死を回避させることに情熱を注ぐが、そのことが逆にイジーとの距離を広げていることに気づかない。 ダーレン・アロノフスキーは、男女のすれ違う思いを通して、<死>に対する哲学的な概念を見事に普遍的なラブ・ストーリーに仕立て上げた。そして、肉体的に生きることが、愛を永遠にすることではないことを教えてくれる。 主人公トミーを演じるのは、「X-メン」シリーズでハリウッドのトップ・スターの地位を築くかたわら、ブロードウェイのミュージカル・スターとしても華々しい活躍を繰り広げるヒュー・ジャックマン。最愛の人を失うことを怖れ、死に打ち勝つ方法を模索するトミーの苦悩と焦燥を、3つの役を通して赤裸々に演じ、胸をしめつけられるような切なさをかきたてる。 そんなジャックマンと息ぴったりの共演をみせるのは、「ナイロビの蜂」でアカデミー賞助演女優賞に輝いたレイチェル・ワイズ。謎に包まれた美しいスペイン女王イザベルと、愛するものを残して去らなければならない運命を受け入れ、死の間際まで自分の書いた物語を通じてトミーに愛の真実を伝えようとするイジーを演じ、観る者の心を大きな感動で包み込む。 また、「アリスの恋」(75)でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、アロノフスキー監督の「レクイエム・フォー・ドリーム」でもアカデミー賞にノミネートされたエレン・バースティンがリリアン・グゼッティ博士を演じている。 「舞台を現代だけにして、不死の探求についての物語を伝えるのは難しかった。そこで、トミーの物語を16世紀、21世紀、そして26世紀と、3つの時代を舞台にすることにした」とアロノフスキー監督は語る。「しかしこの映画は、伝統的な意味での時空を超えた物語ではない。むしろ、1人の人間の3つの側面を体現する各キャラクターを異なる時代に描いて、3つの物語を結合させている」 「トミーは科学者で、死を治療が可能な病とみなしている。妻のイジーはトミーに、死は人間の遺伝子的なコード(定め)であり、スピリチュアルな存在として人間が成長する経験の一部かもしれないと、伝えようとする。しかし、トミーに分かっているのは、愛する妻と永遠に一緒にいたいから、自分には死を克服するという使命がある、ということだけだ」3人のトミーの最大の関心事は<愛>だ。しかし、千年近い時が経っても、彼は妻が伝えたいと願うことを理解できない。 ジャックマンは3役を演じることで、複雑な感情の変化に対応しなければならないだけではなく、作品の中のそれぞれの部分の肉体的な要求にも応えなければならなかった。中世スペインのハイライト・シーンや未来のパート部分の撮影のため、彼は14ヶ月、太極拳とヨガを学び、撮影に備えた。さらに未来の役のために、頭を剃ることを要求された。 トミーはイジーの死から逃げ出す道を選んだ。「イジーがトミーに自分の原稿を手渡して、『書き上げてちょうだい』と頼んだとき、彼女が本当に彼に言いたかったのは、『1人で生きてゆく方法を学んで。私を救えないからと、罪悪感を持たないで。自分もいつかは死ぬと受け入れれば、私と同じ心の平安が得られるわ。そうすれば初めて、恐怖を抱かなくてよくなるのよ』だと思うわ」 ワイズは、2人の関係を次のようにまとめる。「トミーとイジーの絆はとても深く、成熟した関係だわ。彼女は悟りを得て、トミーに忍耐強く愛情を込めて言い聞かせるの。『ありのままを受け入れましょう。人生をフルに生きて、フルに死にましょう。あなたは死と戦い、私を守るために、すべての勇気を注いでくれているけれど、その勇気を死に直面するために使いましょう。なぜなら、それが自由への最大の解放だから』」 この映画の3つの世界を作り上げるには、専門の工芸家たちが必要だった。アロノフスキーにとって幸運だったのは、自分の会社プロトゾア・ピクチャーズで以前、職人たちのチームを編成した経験があったことだ。その多くが、今回の映画にも参加している。 「映画製作は我々にとって、家族の行事だ」と、エリック・ワトソンが言う。この気持ちは、脚本家でもあるアロノフスキーも同じだ。撮影初日に、キャストとクルーの全員を集めた彼は「ここにいる人間は、すべてフィルムメーカーだ」と宣言した。 「僕は彼を信用している」と、ジャックマンは言う。「彼は生まれながらの将軍だ。同時に、寛容の精神に溢れている。彼はみんなとコラボレーションがしたいんだ。クルー全員に、この作品を自分のものと考えて欲しいと強調した。みんなでこの物語を伝えているのだと、ダーレンははっきりとみんなに理解させた」 ●上映時間: 1時間37分 『ファウンテン』公式サイトはこちら⇒ |
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